
茶道は大変に奥の深いものです。私などがとてもここで説明できるようなものではありませんが、ここでは道具炭の種類や炭道具について簡単にご紹介します。
(お家元によって呼び方が違う場合があります。)

風炉(ふろ)・・・夏季に席中で湯を沸かすためのもの。灰も火付きのいいように、また景色とするために風炉の種類によって様々に形作られます。風炉の種類も素材によって分けられ、土風炉(どぶろ)・唐銅風炉(からかねふろ)・真鍮風炉(しんちゅうふろ)・鉄風炉・板風炉などに大別されます。 炉(ろ)・・・茶室にきった炉のこと。 |
名称 | 用途 | 風炉炭の 寸法 | 数 | 炉炭の 寸法 | 数 |
胴炭 どうずみ | 道具炭の中で最も大きく、風炉・炉ともに初炭に用いる。 | 長さ:四寸 直径:約一寸五分~六分 | 1 | 長さ:五寸 直径:約二寸三分
| 1 |
丸管炭 まるくだずみ | 胴炭と同寸の細い炭で、風炉には初炭で使い、炉では初炭・後炭共に割管炭と一緒に用います。 | 長さ:四寸 直径:五分~七分 | 1 | 長さ:五寸 直径:約一寸七分~八分 | 2 |
割管炭 わりくだずみ | 胴炭と同寸で、丸管炭を縦に割ったもの。風炉の場合は後炭に用います。 | 長さ:四寸 丸管炭を半割にしたもの。 | 1 | 長さ:五寸 丸管炭を半割にしたもの。 | 2 |
丸毬打 まるぎっちょ | 胴炭に比べて細く長さも半分で、風炉では初炭・後炭共1本、炉ではともに2本用います。 | 長さ:二寸 直径:約七分~八分 | 2 | 長さ:二寸五分 直径:約一寸五分~六分 | 4 |
割毬打 わりぎっちょ | 丸毬打を立て半分に割ったもので、風炉・炉共に初炭・後炭に1本用います。 | 長さ:二寸 丸毬打を半割にしたもの。 | 2 | 長さ:二寸五分 丸毬打を半割にしたもの。 | 2 |
点炭 てんずみ | 丸毬打の細めの炭で、風呂・炉共に初炭・後炭に1本用います。炭手前の最後につぐ炭で、止炭(とめずみ)とも言います。 | 長さ:二寸 直径:約七分 | 2 | 長さ:二寸五分 直径:約一寸 | 2 |
枕炭 まくらずみ | 炭斗(すみとり)に炭を組む時、最初に置く炭で、割毬打を使います。炭斗に炭を組むだけで、風炉・炉中には入れません。 | 割毬打を使用。 | 1 | 割毬打を使用。 | 1 |
香合台 こうごうだい | 丸毬打の太めの炭で、香合をのせるのに用います。炭斗に炭を組むだけで、風炉・炉中には入れません。 | 長さ:二寸 丸毬打の太めのものを使用。 | 1 | 長さ:二寸五分 丸毬打の太めのものを使用。 | 1 |
枝炭 えだずみ | ツツジやコナラなどの枝を焼き、胡粉または石灰を塗って化粧を施した炭。景色として、また導火炭としての役割があります。 | 長さ:五寸
| 6 | 長さ:六寸 | 8 |
輪胴 わどう | 丸毬打よりも太めので、風炉・炉共に後炭に用います。 | 長さ:一寸五分 直径:約一寸七分~八分 | 1 | 長さ二寸 直径約:三寸 | 1 |
当店取り扱いのお茶炭一覧

底土器(そこかわらけ)
風炉の底に入れ、断熱の役割をします。底瓦とも言います。
前土器(まえかわらけ)前瓦とも言い、半円形の素焼または雲華焼の土器で、風炉の火窓の内側、五徳の左右の爪の間に立てて、火気をさえぎる役割をします。
灰形用灰匙(はいがたようはいさじ)
風炉の灰形専用の灰匙で、灰の形を整えるのに使います。やや小ぶりに作られ、素材は銅製が多いようです。
小羽箒(こはぼうき)
小羽(こばね)とも言い、火入や風炉の灰際を整えるのに用います。
五徳(ごとく)
釜を火にかけるための台。
手焙(てあぶり)
手炉とも言い、炉の時季に腰掛待合や席中で使用する小型の火鉢。
炭斗(すみとり)
炭を入れる器のこと。唐物と和物に大別されますが、いろんな種類があります。多くは竹や籐のかごに内張りをして漆をかけたものが使われる。
羽箒(はぼうき)
羽で作った箒(ほうき)。ふつうは羽を三枚重ねたもの。
鐶(かん)
釜の上げ下ろし用の金属製の輪。
香合(こうごう)
香を入れるための蓋付きの器。陶磁器・漆器・木地・竹・瓢箪・金属・貝類・牙類と素材はさまざま。
釜敷(かましき)
釜の熱や汚れで畳を損なわないように敷くもの。釜式にも和物・唐物があり、素材には組物・紙・竹・紐などがあります。
灰器(はいき)
蒔灰を盛る器。風炉の灰形の景色として蒔く「藤灰」や、炭火の火付けを良くするために蒔く「湿し灰(しめしばい)」を入れるための器。
半田(はんだ)
風炉と炉の火を整えるときに用いる大ぶりの灰器。
焙烙(ほうろく)
素焼きの平たい円形の器で、灰器として用いる。
水屋の炭道具
箱炭斗(はこすみとり)、掴み羽箒(つかみはぼうき)、水屋鐶(みずやかん)、長火箸(ながひばし)、板釜敷(いたかましき)、香溜(こうだめ)、底取(そことり)

風炉灰(ふろばい)
ふくさ灰ともいい、生灰(きばい)を目の細かい篩(ふるい)に通して、水で一度攪拌してアク抜きをし、浮いたゴミを取り除き、沈殿した粒子の細かい灰を天日干しして、絹篩にかけたもの。
藁灰(わらばい)
稲藁の太くて芯が硬い、丸みを帯びた真っ直ぐなものを選び、塩水に浸したあと、水気を切り焙烙に並べて蓋をし、蒸し焼きにしたもの。
藤灰(ふじばい
化粧灰とも言い、樹皮をはいだ藤を焼いたもの。風炉の蒔灰(まきばい)に化粧として用いる。
炉灰(ろばい)
炉の下地灰で、アク抜きをして貯えたもの。
湿し灰(しめしばい)
貯えた炉灰に湿り気を与えたもの。
アク抜きをした灰を拡げて天日で乾かし、粗めの篩に通してゴザか上敷の上に拡げ、煮出した番茶をジョウロでまんべんなくかかけ、手でモンで全体を湿します。この作業を数回繰り返して程よい湿り気を残して篩に通し、カメに保存します。
湿し灰は火のおこりを良くし風情が加わるので、炉の灰の仕上げ・炉の蒔灰に使用します。
(縄灰(なわばい)
藁をなった縄を燃やしたもの。手焙りや火鉢に用います。
(籾灰(もみばい)
籾殻をくすベて作った灰。
縄灰と同じく、手焙りや火鉢に目先を変えるために用いることもあります。