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備長炭で焼く、茶道茶碗の名品 樂焼

炭のおもしろTopics

樂焼

楽に作れる「らくやき」と樂焼は違います。
茶道とは切っても切れない、茶の湯のために造られたものが樂茶碗に代表される「樂焼」です。
樂家は千家が指定した十人十職のひとつで、陶工としてのステイタスを与えられています。
樂焼初代「長次郎」から当十五代「吉左衛門」にいたる約400年間、樂茶碗として名をはせていますが、この樂茶碗は備長炭で焼かれているのをご存知でしょうか?

右の画像は、当15代樂吉左衛門氏作 黒樂「秋菊」
   (樂美術館の許可を得て画像をお借りしています)

当代樂吉左衛門作 黒樂「秋菊」 

名前の由来

樂焼茶碗は当初「今焼」即ち、これまでにはない前衛的な茶碗と言う意味から「今焼茶碗」と呼ばれました。
その後「今焼」の呼称は「聚樂焼き茶碗」と称されるようになり、さらに当時の為政者豊臣秀吉から「樂」の印字を賜わったことによって「樂焼」「樂茶碗」と称されるようになりました。

樂美術館
場所 
京都市上京区油小路通り中立売上がる
休館日 月曜 (但し祝日の場合は開館)
開館時間 午前10時~午後4寺30分
特別鑑賞会(茶会と講演)要予約  
歴代作品による茶会 樂家15代吉左衛門氏の解説によって歴代作品を手にとって鑑賞できます。 詳しくは 075-414-0304

樂焼は、量産するために作られた大窯や登り窯とは対極的に、屋内の小規模な窯で焼き上げられます。窯の中心部に内窯を内蔵した二重構造になっていて、その内窯を取り巻くように備長炭がおかれ、約1200度の炎がほとばしります。
驚くべきは、内釜の中におさめられる黒樂茶碗はたった一椀だけということ。
黒樂茶碗の窯より大きい赤樂茶碗の窯でも3~4椀にすぎないのです。

樂焼は他の日本の陶芸と大きく異なりロクロを一切用いず、手捏ねで形作る。手びねりの造形とは何よりも作者の個性による自由な造形を可能にする。また同時に手の温かみをつたえ、素朴な心を伝える造形とも言うことができます。しかし長次郎茶碗の造形はそうした素朴な造形論に留まることなく、理念的とも言える造形へと昇華させているといえます。

樂美術館 第一展示室
   樂美術館 第一展示室

樂茶碗は焼き締めることをせず、柔らかく焼かれます。
やわらかい質の陶器は点てられた茶の熱さを吸収して柔らかく手に伝え、そのほのかな温かみは人から人へ伝える心の温かみと重なっています。一椀の茶を数人で飲みまわす濃茶、やわらかな土質は末客にまで茶の暖かさを保ちます。

茶の湯は一期一会。一品一品すべての出会いの根本を貫通する一度かぎりの出会いの深さと貴さを大切にする、茶の湯の心。
樂茶碗の一品制は、まさに茶の湯の茶碗であることを物語っていると言えるでしょう。 お茶をたしなまれる方は必見です。


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京都駅から 9号・50号系統「堀川中立売」で下車
三条京阪駅から 12号系統「堀川中立売」で下車     徒歩3分
(「ほりかわ・なかだちうり」が正式名称ですが、京都の人は「ほりかわ・なかだちゅうり」と呼びます。ちなみに、「かみだちうり」「しもだちうり」もあります。)


本のご紹介

樂ってなんだろう?「樂焼創成 樂ってなんだろう」 
第15代 樂 吉左衛門 著  定価1800円+税
  発行者 納屋嘉人  発行所 (株)淡交社
           ISBN4-473-01825-3
今から四百年前、茶の湯のために始められた日本の焼物、樂茶碗の世界。
グラフィカルに楽しみながら、気軽にページを繰ってみてください。
小さな茶碗の造形の中に時代精神があふれています。
手のひらに包まれる小さな樂茶碗の中には、日本文化の底流から湧き出る意識宇宙が広がっているはず。
感性を解放して直感的に感じ取ってみてください。


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